楽しい電子楽器 自作のススメ

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米本電音研究所の米本実さんが書かれた「楽しい電子楽器 自作のススメ」(オーム社:1800円税別)が発売されました。アナログ・シンセサイザー信奉者も納得の実践的な理論、ヴィンテージシンセサイザーの機種紹介、改造、電子工作に加え、エレクトロニック・ミュージックの中で活躍されている通好みのアーティストもたくさん出てくる楽しい本です。proun.netも写真を提供させていただきました。日本ではあまり光の当てられることがなかったジャンルでもあるんですよね、この世界は。とても面白いのに。やっと出ましたって感じです。難しいことが苦手な人が読んでも結構楽しめますよ。
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丙午(ひのえうま)

日本の人口は5年前の統計によると1億2761万人だそうです。結構多いですよね。ところが僕の「ため年」の人が本当に少ない。同級生に会うことは本当に少ないですよ。
 僕の誕生日は1967年3月1日で、現在41歳。いいオッサンなのですが、早生まれのため1966年生まれの人と同級生です。
 で、1966年という年が特殊なんです。この年は午年の中でも60年に1度しかやってこない年で、中国や日本では何かと災害の多い年ともいわれ、この年に生まれた女性は男を食い殺すとか、気の強い女になるとかという迷信があって、この年に子供を作るのを避ける人が多かったんですね。下のグラフは政府が発表したものですが、昭和41年(1966年生まれ)のところをよーく見てください。なんかガクンと落ちているでしょ?ここなんですよ、僕の学年は。これが同級生に会うことが少ない原因ですね。

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 僕の行っていた小学校は大阪のベッドタウンにあったってこともあるんですが、全校生徒1500人みたいなマンモス校で、学年ごとに8〜9クラスもあって(大人になってからこれがかなり多いってことを知りました)鼻水の垂れたガキんちょであふれかえっていたんですが、僕の学年だけ5組しかなかった。高校受験なんて結構競争率の高かった進学校が受験生の定員割れで、受験した全員が合格したなんてこともありましたよ(そこ受けとけばよかったな)。
 ちなみにネットで調べて面白かった僕の華麗なる同級生は以下の通り。
江角マキコ
シンニード・オコーナー
ポール・ギルバート
シンディ・クロフォード
国生さゆり
ジャネット・ジャクソン
マイク・タイソン
高嶋政伸
チョコボール向井
トータス松本
永瀬正敏
中村あゆみ
ジョン健ヌッツォ
春一番
サマンサ・フォックス
宮本浩次(エレカシ)
YU-KI (TRF)
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石田徹也

ishida.jpg 以前から気になっていた画家がいて、いつか作品を見たいと思っていたのですが、東京でほとんど見る機会がなかった石田徹也。その個展が都内では初めて大々的に開かれるというので練馬区立美術館へ行ってきました。

 彼は画家で生計を立てようと頑張っていたけれどもわずか31歳で2005年に死去。死後になって評価が高まったという画家です。
 作品の多くは板に直接アクリル絵の具で描いていくというスタイルで、彼自身ともとれる人物が必ず絵の中に出てきます。その人物は不思議なシチュエーションの中で現代社会の風刺のようなものをからませながら孤独を表現しています。
 70点あまりが来ていましたがかなり見応えありましたよ。トーンは決して明るくないのですが、命をすり減らしながら一生懸命描いていた、そんな気迫が伝わってきます。図録とポストカード(珍しい!)をおみやげに買って大満足でした。
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デザイン変更

 ブログのシステム自体を別のものに移行させました。まだデータを移し替えただけで、デザインとかまったくなってないわけですが、とりあえずこのまま走らせます。徐々に変わっていきますのでよろしく!

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大琳派展

 琳派、行ってきました。もちろん目玉は風神雷神図屏風。俵屋宗達が描いたものを100年後くらいに尾形光琳がカバー(?)し、それをまた酒井抱一がカバーしたという屏風絵で、つまり違う人が描いた同じものが3つあります。今回の上野で行われている大琳派展ではなんとその3つを同時に展示しているのです。一つでもなかなか本物が見れないのにこれは3つの違いを比較できる絶好の機会。
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 写真は俵屋宗達のオリジナル。実際に現物を見たのは今回が初めてだったけど、間近で見ると案外筆致が荒い。勢いで描いている感じ。だけど配色とかモチーフの配置が絶妙で、絵の構成自体は勢いで描いたとは思えなかった。すごく考えに考え抜かれたかんじ。なのに筆の運びが非常に勢いがあって、あるいみロック的なざっくり感がある。「オラー!」という意味のない気合いが絵から聞こえてくる感じ。これは国宝になってるのもわかるぶっ飛びの名作ですね。
 この絵は京都の建仁寺が持っているのですが、宗達は京都の町絵師だったので京都に伝わったのです。ところが明治に入るまで宗達の評価はずっと低くて、おかげで目利きのアメリカ人に代表作の多くを買われてしまい、海外に流出しました。宗達の絵は斬新すぎるんです。宗達は町絵師でしたから発想が自由で、しきたりに縛られずにエクスペリメンタルな部分を持っている作品も多いですが、当時から一流の絵師としての評価を受けていたようです。なのに生没年は不明。
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 これは尾形光琳。宗達の絵をカバーしたわけですが、完コピかというとそうでもなく、色や顔の描き方をあえて微妙に変えています。左手の雷神は宗達は太鼓の輪を枠からはみ出すようにしていますが、光琳はそれでは安定感がないと思ったのか、もっと内側に寄せています。もともと宗達の作品は不安定なのがいいのに、そのへん光琳は違ったみたいです。改良しているところからすると、宗達の絵はいいけど完璧だとは思っていなかったってことでしょう? 自信もあったのかもしれませんよ。宗達リスペクトではあったんですけど。
 光琳は実家が金持ちのボンボンで結構遊び人だったみたいですが、ボンボン特有の品の良さと都会的なセンスがあって、そこが今でも受けている所以です。ただ確かに絵もうまいんだけど、宗達のような何ものにも左右されない自由な気風という部分ではやや劣るし、後述する酒井抱一のような緻密な描写力も持っていません。だけど光るセンスがあって、感覚的にはすぐれたものを持っていたのがわかります。ぱっと見のキャッチーさもあります。洗練されているんです。

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 酒井抱一のは宗達のではなく、光琳の絵を見て描いたので宗達の孫コピーですね。より安定感を増した感じ。絵もうまい。色も鮮やかだけど、色遣いは光琳のほうが好きかな。タッチも軽やかで、なめらかな動きの見える描写というわけではなくて、むしろ形式化された風神雷神図のデザインを完璧に仕上げようと言う気持ちが絵からにじみ出ている。今は黒く酸化している銀泥混じりの雲も光琳はたっぷりとバランスよく入れている感じがするけど、抱一は重くなるのを嫌っているようにも見える。屏風の折り目をモチーフがまたぐように描いているのも宗達や光琳とは違う点。でも酒井抱一は絵がうまい。まじめに勉強してきた感じがします。植物を描いてもボタニカルアートみたいだし。こういう動的なモチーフはよくないかもしれないです。

結論。僕は俵屋宗達が3人の中で最も好きです。やや社交性のない、こもったセンスもあるけど、内なるパワーをめらめらと燃やしているような爆発力も秘めている、そういう表に見せないエネルギーを感じます。これは音楽の趣味とも共通しているところではあるけれど。

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二月堂

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9dwのライブが終わってからみんなとわかれて単独活動(許してみんな!)。今まで一度も行ったことのなかった正倉院展を観に奈良国立博物館へ行ってきました。世界にも例がないエクセレントコンディションで残る8世紀の品々。しかし人気ですね。人であふれかえっていました。
 帰りに立ち寄ったひっそりとたたずむ二月堂からのワンショット。東大寺の大仏殿の屋根を眼下に奈良を一望できるすばらしい景色です。コンクリートジャングル(!?)東京の喧騒を忘れ、ぼーっと景色を眺めるのも悪くないです。帰りに横にある二月堂の休憩所でお水取りに使われたたいまつを観ながらセルフサービスのお茶をすすりました。自分でお椀をとってお茶入れて飲んで水道で洗ってまた元に戻すんですがタダなんですよね、そのゆるい空気感がすばらしい。
(撮影はニコンのコンデジだけど、そこそこ描写力あります)

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