LINN

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Linn Electronics社は1980年にロジャー・リン(写真)によってハリウッドに設立された会社です。ロジャー・リンは70年代から活躍してきたギタリスト兼ソングライターで、エリック・クラプトンのヒット曲「Promises」は彼とのコラボレーションでもありました。21歳の時にはレオン・ラッセルのツアーのサポートもやってたようです。
 彼の父は南カリフォルニア大学で音楽教授をやっており、電子音楽に携わっていたためmoogのモジュラーシンセを操る父親の姿を目にしていたといいます。
 コンピュータのプログラミングや電子工学の知識をある程度持っていた彼は、レオン・ラッセルのアイデアから、自分で「プログラミング可能なドラムマシン」を組み立ててみようと思いつきました。当初アナログ音源で作ろうとしていたのですが、TOTOのスティーブ・ポーカロの助言を得て、当時はまだまだ発展途上だったサンプリング技術を使った音源にしてみることを決心しました(初代の製品のサウンドの殆どはLAのセッション・ドラマー、アート・ウッドに依頼してプレイしたサウンドをサンプリングしました)。
 そして1979年に世界初のサンプリング音源のドラムマシーンLM-1を発表。1983年までに500台を売り上げました。最初の35台まではロジャーの自宅のガレージで製品を組み立てていました。
 小さなガレージメーカーだったのですがあっという間に一躍世界の注目を浴びるブランドになってしまいました。ところが安価で性能のよい日本製品に押され、1986年にあえなく倒産。その後ロジャー・リンはAKAIに迎え入れられてLinnDrumやLinn9000の実質上の後継機ともいえるMPC-60などの名器を開発しますが、現在では自社ブランドのRoger Linn Design社を設立し、アナログモデリングのギターアンプシミュレーターなどを発表しています。
 またデイヴ・スミスとの共作で発表したTEMPESTも話題になっています。