EMS

←シュトックハウゼンもEMSユーザー!

info(at)proun.net

 EMS(Electronic Music Studios)は1969年、ピーター・ジノビレフ博士(写真)によってロンドンに設立されました。設立当初から設計を行っていたのはデビッド・コッカレルですが、彼は1972年にエレクトロ・ハーモニクス社へ移るまでにEMSの代表作といえる製品を数多く設計しました。その後、彼は1976年から半年間だけIRCAMにいましたが、再びエレクトロ・ハーモニクス社へ戻り、80年に入るとアカイのサンプラーS1000、S1100、S3000などのプロジェクトにも関わります。
1979年、EMSは倒産し、資産をロッキングタイプの病院ベッドを作っているデータノミクス社に売却します。
 1980年から1984年までの間に少量のVCS3とSynthi AKSとボコーダーが製造され、新しい製品がデータシンシ社から発売されました。それからしばらくするとデータノミクス社はこのシンセサイザーが商業的に成功するものではないことに気づき、EMSは再び売りに出されます。
 次のオーナーになったのは長年のEMSユーザーであり、英国のドキュメンタリー番組「Life on Earth」のサントラで有名だったエドワード・ウィリアムズで、彼はサウンドビームと改良版のボコーダーを発売しました。1995年4月にはロビン・ウッドがEMSの全権を取得し、Synthi A、VCS3、ボコーダーだけは細々と作られていたようです(1998年の時点での話)。

現在、EMS社が活動している様子はほとんどありませんが、EMS製品の設計を手がけてきたグラハム・ヒントン氏のサイトでもいくつかの情報を手に入れることができます。