PPG (Palm Producttions GmbH)社は1975年にドイツ・ハンブルクで設立されました。オルガン奏者だったウォルフガング・パーム(写真)がタンジェリン・ドリームのメンバーらと共に、彼らのためのカスタムメイドのシンセサイザーを開発するために立ち上げた会社だったようです。早くからデジタル・シンセサイザーの開発にも着手し、世界初のプラグラマブル・シンセサイザーPPG 1002を発表したのち、1977年には早くもデジタルシンセサイザーの開発に着手します。1980年には貧弱なパワーのマイクロコンピュータながらもウェーブテーブルを搭載したシンセサイザーを発表しますが、1982年にその改良版とも言えるWave 2.2の発表によってその名が世界に知られるようになりました。1984年には8bitから12bitに改良した2.3を発表し、経営も軌道に乗ったかのように見えましたが、1986年に発表された世界初のハードディスクレコーダーHDUの経営的失敗とRealizerの開発に多額の投資をしたため経営に行き詰まり、1987年に倒産。ユニークで先進的なアイデアを持っていたパーム氏は1990年にWaldorf Electronics GmbH社を立ち上げ(Steinberg社が資本参加していたとの情報もあり)、microwaveなどの斬新なシンセサイザーを発表しますが、2004年2月にまたしても倒産。14年の歴史に幕を閉じてしまいました(※Waldorf社は現在復活して新製品を発表しています。この件については追って書きます)。
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