PPGは究極の楽器「Realizer」を開発しますが、商品化する前に資金が底をついてしまい、倒産してしまいました。
RealizerはminimoogやDX7のモデリング、デジタルミキサー、16bitハードディスクレコーダーを搭載した夢のマシンで、操作はディスプレイの周りに並んだつまみとスライダー、テンキー、ドローイングパッドで行います。いわゆるワークステーションの先駆的発想です。(ウォルフガング・パームは世界初のハードディスク・レコーダー「HDU」を開発したことでも有名です)。
そういうわけで、現存するRealizerは製品になる以前のプロトタイプであり、一般に販売されたことはありません。何台あるのかも不明ですが、おそらく2〜3台といったところではないでしょうか。(御存じの方は是非教えて下さい)
デジタル・サウンド・プロデューシング
リアライザーにはオシレーターやフィルターはありません。サウンドは全てシグナルプロセッサーをコントロールする8つのソフトウエアによって作られ、16bit経由で44.1kHzでD/A(12bit)にコンバートされます。リアライザーを使うことによって往年のmoogシンセサイザーからFMシンセシスまであらゆる考え得るハードウエアをシミュレートします。そのサウンドマテリアルはスタジオ・クオリティーです。
デジタル・リアルタイム・サウンド・モジュレーション
リアライザーでソフトウエアでコントロールされた「エフェクト・プロセッシング」を使うとどんな音も16ビットクオリティで操作できます。
エコー、ディレイ、フェイザー、コーラス、フランジャー、ハーモナイザーなど。しかしこれは持ちうるエフェクトの可能性のほんの一部に過ぎません。
リアライザーはハードディスクに録音した、あるいは外部ソースからの音をモジュレートすることもできます。
デジタル・レコーディング
統合された85MBのハードディスクを搭載し、16ビットの精度で以下の長さの音が録音可能です。
12分モノ、6分ステレオ、3分4トラック
44.1kHzのサンプル精度でレコーディングはMIDIシーケンサーと同期できます。4トラックまで同時再生できます。前述のよく知られたシンセサイザーがシミュレートされており、リアライザーの真の革命をもたらします。
1.既存のモジュールの組み合わせにより新しい音源を生み出すことができます。たとえばFMサウンドをソースに持つmoogフィルターの付いたマルチ・レベルのエンヴェロープを持つ新種のシンセサイザーを作ることも出来ます。いかなる方法でも数学から生み出される新しい手法のサウンドプロダクションやモジュレーションが適用されます(たとえばハーモニック・ディストーションやウェーブ・シェイピング)
殆どのディレイには反響にフィルターが使われていますが、リアライザーではフィルターの代わりにハーモナイザーを使うことも出来ます。つまりエコーが連続的にピッチを変化させながら減衰していきます。
リサンプリング機能では音の圧縮やその変調と操作を可能にします。音質の劣化は生じません。
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