Roland

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ローランドは1972年に大阪で梯(かけはし)郁太郎さんによって設立されました。長い歴史の中でローランドの製品を見ていくと、ダンスミュージックに対する貢献度は他のメーカーよりも強かったと言えます。TR-808、TR-909、TB-303、Juno-106など、これらの製品がなかったら世の中の音楽も変わっていたことでしょう。しかし面白いのは、これらの製品がメーカーがターゲットにしようとしてきたマーケットとは違う場所で評価されてきた、とういう事実です。たとえばTB-303はアシッドハウスではなくてはならないベースシンセとして今では認知されていますが、当初はギタリストたちが自宅練習のバッキングのために買っていたお手軽な伴奏シンセだったのです。10年以上前は1万円以下で中古市場で手に入る不人気商品でした。
 このような「名器」は多かれ少なかれ不運な時代というフィルターを通過して再評価されてくるわけですが、表現力を持った楽器としてのポテンシャルを秘めていたからこそ今の時代になっても第一線で活躍できているのは確かな事実でしょう。