ROLAND
System-100

当時の価格 383,000円
中古の相場
発売年 1976年?
発音ボイス数 モノフォニック
MIDI / CV CV
レア度 ★★★★
ビギナー向き ★★★

info(at)proun.net

 一般的に知られているSystem-100M以前に発表された ローランドのシンセサイザーで、鍵盤の付いている本体(Model 101)にエクスパンダー(Model 102)、オーディオミキサー(Model 103)、アナログ・シーケンサー(Model 104)、モニター・スピーカー (109)でフルセットになる、今で言うところのワークステーション的な構成になっています。
 これらはバラで買うことができたため、フルセットで所有している人は非常にまれで、とある専門店の方の話によるとスピーカー(109)はかなり珍しいようです。シーケンサーとミキサーも決して安い値段ではなかったためにお目にかかることはないようですが、本体の101だけは時々お目にかかります。
 本来、スタジオなどの室内だけで使われることが多かった機種だけに、状態のいいものも少なからずあるようですが、生産台数はそう多くはありません。
 構成的にみると、ARP 2600を意識したものになっているのがよくわかります。エクスパンダーがあればオシレーター・シンクもかけられるし、サンプル&ホールドやリング・モジュレーターも使える上に、基本的な部分は内部接続されており、そこからパッチケーブルであれこれ接続を増やすことができるハーフ・モジュラー仕様になっているところも2600に似ています。

Model 101

 これが本体で、鍵盤も付いていることから、これ一台でシンセサイザーとしての機能は備わっています。1VCO、1VCF、1VCA、1ADSRときわめてシンプルながらノイズがピンクとホワイトの切り替えが可能で、外部オーディオ入力もあります。CV/GATEの入出力も装備しているので、シーケンサーで動かすこともできます。
 音は非常にローランドっぽいのですが、しっかりとした上品なサウンドです。ベースとして使ってもかっこいいし、リードの音もいいのが出ます。太いばかりでヌケの悪い製品が多い中、こいつはどことなくエレガントで、時々キテレツな音も出してくれる優等生です。エフェクティブな音もパッチでいろいろ作れるので音のバリエーションはモジュラーなみといっていいと思います。
 だれかがこの音を「ショボイ」なんて酷評していましたけど、ちゃんと使いこなせられるなら、結構使える音がバンバンでてきます。SH-2なんかよりヌケもよく感じます。
 ちなみに中古の相場は近年高騰しており12〜15万円といったところでしょうか。

Model 102

 101の拡張モジュールで、1VCO、1VCF、1VCA、1ADSRにサンプル&ホールド、リング・モジュレーターがあります。101のVCOとパッチすることでオシレーター・シンクの効果を得ることもできます。これが結構いい音がします。アープのシンクっぽいです。
 101との併用でも、この102に101用のインプット端子があるので、101と102の音を一本のケーブルで出力させることができます。CV/GATEはインプット端子が付いています。101を手に入れたならぜひ102は欲しいところでしょう。

Model 103

 4chのアナログ・オーディオ・ミキサーでパワーアンプが内蔵されていますのでそのままスピーカーを接続することができます。正真正銘ホンモノのスプリングリバーブも内蔵されており、出力はステレオになっています。

Model 104

 24ステップのアナログシーケンサーです。8で折り返したり、16で折り返したり、ダイアルで調整可能なほか、MIDIビートクロックにあわせてパルスクロックを出せるMIDIコンバーターがあればMIDIシーケンサーとの同期もできます。