クラウス・ノミ

AIDSで死んだ有名人としては最も早かったドイツの奇才、クラウス・ノミ。かつては彼の人生を描いた映画まで作られたけど、映画はつまんなかったな。でも彼の存在は今でも輝いている! つーかなんだこの存在感は。80年代にはイシバシ楽器の広告にも登場していた。スネークマンショーのアルバムにも1曲入っている。音楽はNEW WAVEだけど、やっぱり動いている映像を見ると説得力が違う。このオペラチックなボーカルとどうなっているか分からない独特のヘアスタイル、そして奇抜な衣装に注目。好きと嫌いにはっきり分かれるなこれは。

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大山誠一 続き

 聖徳太子がいなかったなんてそんなばかなと思うかもしれないけど、むしろそういう意見を公然と言えない雰囲気が明治以降あった。というのも、聖徳太子は皇室の歴史に関わる存在だからだ。でもここんところ学者の皆さんもこの説を支持する人が増えた。むしろ正面からこの問題を否定しようとする人は少数になってしまっているようだ。

 
「日出ずるところの天子…」の文章で有名な隋書の記述では、聖徳太子が摂政をやっていたと日本書紀が言っている時期に隋の皇帝が派遣した使いの者から聞き取った記述が結構詳しく書かれている。その使いは直接何度か「大王」と会っており、大王は男だったと言っている。しかしその時代は推古天皇という女性天皇がいて、記述に矛盾がある。この問題について歴史の世界は積極的に突っ込んでこなかったのだ。しかも大王の名前も記述されている。「アメノタリシヒコ」。この名前は日本書紀には出てこない。固有名詞ではないという説もある。なんで隋書と日本書紀は矛盾しているのか。日本書紀のほうが怪しいというのが大山説だ。十七条憲法も「和を以て尊しとなす」はよかったが、憲法に書かれていること自体が「律令」っぽいことが指摘されている。律令は中国でさえ聖徳太子の死後に成立している。
 なんか文章が難しくなってきたぞ。このへんでやめとこう。
 
 まったく話が変わるんだけど、ウィキペディアの松岡修造のエピソード欄がとても面白い。
あの人、東宝グループの御曹司なんだね。それはいいとして
トレーニングの1つとして、レストランでの注文をメニューを見て5秒以内で決めるという事をやっている。」
というのが意味不明でいい。テレビかなんかで言っていたらしいが、松岡修造は家で焼きたての肉が食べたいと言って、奥さんに食べる一口ぶんの肉だけをキッチンで焼かせて、それを何往復もリビングへ持ってこさせるらしい。さすが以前冬期オリンピックの現場で騒ぎすぎて退場させられただけのことはあるな。
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大山誠一

 先日本屋さんがまだ開いている時間に帰れる時があって、本当に久々に本屋さんへ行った。本は結構読む方だと思うけど、買ったのに読んでない本が家にたくさんある。買ったことで満足しているような気もしなくはないが、ちびちびと読んでいる。

 なのにまた買ってしまった。

 今回の収穫は大山誠一。僕のお気に入りの著者で、中部大学人文学部教授。この人の本は専門書も含めていろいろ読んだ。日本史の専門家で、特に古事記・日本書紀、飛鳥時代や奈良時代に革命をもたらした人物だ。90年代に「聖徳太子はいなかった」という学説を発表し、一大センセーショナルに。聖徳太子はいなかったという説自体は明治時代にもあったわけだけど、大山先生によってより科学的な検証が行われた。お札から聖徳太子が消えた理由の一つを作った人でもある。
 もちろんその説については細かい突っ込みどころがあるんだけど、大筋で矛盾は感じない。僕もいなかったという説を今は支持している。
 今回買った新刊「天孫降臨の夢」は去年の11月にもう出ていたらしいが、その学説をよりブラッシュアップしているようだ。時間がなくなったので、続きはまた。
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すり足のおやじさん

 先日電車の中で隣の車両からすり足で歩いてくるおやじさんを見た。まるで氷の上をスケートで滑るように歩いていた。よく見ると靴の底からガムテープらしいものが所々見えている。どうやら靴底につるつるのガムテープらしいものを貼り付けて、滑りをよくしているらしい。

 さらに目を引くのが、背中から「アンテナ」が出ていること。長さ1mくらいの棒を背中に刺していて、頭の上ににょきっと出ている。服の中に差しているだけなのでちょっと傾いている。
 その棒が何なにかはわからなかったけど、先端が5cmほど直角に曲がっていて、それがなんか意味深だった。そのおやじさんは僕の前を通り過ぎるとまたUターンして隣の車両に帰って行った。滑りながら。
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村山槐多

 うー、ここ2ヶ月は正月の連休をのぞいてまったく休んでいない。家に帰ってくる時間はてっぺんを越えることも多い。でも今がんばんないとだめなんすよ。ふー。でも毎日充実してます。

 去年の7月に雑司ヶ谷霊園を散歩して村山槐多(かいた)の墓石を見つけた話をブログで書いたんだけど、今日はまたその槐多の話。
 槐多というのは横浜生まれの大正時代の画家・詩人で、22歳の若さで死んだ。田端や代々木に住んでいたこともあったらしい。奇行が目立ったことでも有名だった。自宅の壁には意味不明の文字が書き殴られ、障子の紙はすべてトイレ用に使ったためになくなり、窓から残飯を投げ捨てていた。オカリナを吹きながら道を歩いたというエピソードもある。そして年下の美少年に書いたラブレーが残されている。内容はこんなものだった。

美しいあなたに、こんな手紙を書けるか
と思ふと嬉しくて耐らない。
どうぞ読んで下さい。

白状しますれば僕は君が慕はしくて耐らない。

確に僕は君に戀して居ます。

少々滑稽だけど僕は君のことを考へるときつと眞赤になります。
ひとりではづかしくなる。
あなたはあなたのおもかげは絶えまなく僕の物思ひに上つて居る。
美しい物を見た時の聯想はきつと
あなたです。

僕は君が大好きで世界で一番美しいと思つて居る。

何となれば君はオープレー・ピアズレーと云ふ畫人の描く神経的な美人によく似て居るから。

そして僕はオープレーピアズレーが大好きだから。
あなたはほんとに御綺麗ですね。あなたはそして神経質ではありませんか。
どうか神経質になつて下さい。
君は多分私の様な粗野な百姓はおきらひでしやう。

僕だつて君の気に入る人間だとは思つて居ない。
しかし僕はいくら君が僕がきらひでも僕は君の事を思ひつづけますよ一生思つてあげます。

僕はあなたの精神にも肉体にも戀して居ます。
僕と友達になつて呉れないか。
僕は外面的には恐ろしく汚ないが、内心には
君の友人として恥づかしくない実質を有つて居ますよ。
僕の友人になつて僕に君に始終手紙を出したりする自由を許して呉れ給へ。
そうすればどんなに嬉しいでしやう。

あなたはいつまでも子供で居て下さい。僕だつて子供です
一生子供です。

僕は藝術をやるのです。二、三年のうちにはきつと僕の作つた芝居が劇場で演ぜられましやう。(少々怪しい)
その時には一番先にあなたに見て頂だきたい。
ですからその時あなたに招待状をあげる為には
君と早く友人になつて置かなければならないと思
つてこんな下らない事を書いたのだ。
僕は貧乏ですからあなたにささげる眞心
には偽はありませんよ。
僕はつくづく書きながらもあなたの綺麗さを思つて
居ます。
あなたはベルサイユ宮殿に住んでる人か
巴里人か 花火か 絵か 音樂か…何だか知らないが美しい。 ご返事をお閑な時に呉れたまへ
お閑な時でよろしく
      さよなら
稲生きよし様

村山槐多

 
ボードレールやランボーをこよなく愛した彼は詩の評価も高い。絵を描いていたのはわずか5年間だけで、作品の絶対数もかなり少ない。
 そんな彼の作品が渋谷区立松濤美術館でやっているというので、最終日に滑り込みで観に行った。地方に行かないと見れない作品が東京に集まっているので、これは見逃せなかった。スタジオから自転車で15分走っていった。
 槐多の絵はデッサンなど数点を生で見たことがあったけど、代表作となると画集でしかなかった。やはり実物は立体感があり、衝動的な筆遣いが手に取るようにわかって面白かった。
yubari.jpg彼の作品の中でも最も奇妙なもののひとつで、普段は信濃デッサン館にひっそりと飾られている「尿(ゆばり)する裸僧」はインパクト大だった。裸の坊さんが托鉢の中にシャーッと放尿しているという絵。ほんとシャーってかんじの放尿っぷり。彼が執拗にこだわったガランスというあかね色の絵の具がこれでもかというくらい厚塗りされており、とりわけ性器は厚塗りに厚塗りを重ねて強調されている。絵の具がそこだけ盛り上がっている。バックの山は女性器の象徴と評論家は言っているそうだ。
 この絵は彼の死後、60年にもわたって行方不明になっていたらしいが、ある人が追跡して発見した。いやはや何度見ても不思議な絵だ。
 この絵などは描きたいという衝動が先に立ちすぎてしまい、全体的に荒い筆致で、ある意味ヘタウマ的な要素が漂っているが、他のデッサンなどを見ると彼が非常に高度な描写力を持っていたことがわかる。ただ紙一重的な才能がもはや凡人の理解の範疇を超えていることは間違いない。そこが彼の魅力でもある。頭に紙風船をかぶった自画像とかもあるし。ちょっとシュールな表現もある。ヨーロッパの前衛芸術の影響もあるかもしれない。あるいはパンクか。彼のほとばしるアイデアや衝動は今見ても衝撃的だ。まさにアグレッシブで熱い。

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唐招提寺

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みなさんあけましておめでとうございます。今年も頑張っていきますのでどうぞよろしく!
年末は大阪で9dwのライブがあったあと、名古屋と大阪で清春さんのライブのお仕事をしてそのまま休暇に突入。生駒へ行く用ができたので、1000年ぶりくらいのオーバーホールが10年越しで終了した天平時代の古い寺、奈良の唐招提寺へオーバーホール・チェックにいってきたわけです。
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3万点に及ぶ部材からなる金堂を創建以来初めて完全分解し、10年がかりで修復・組み直すという偉業を成し遂げた平成の大修理。どうすか、もうすっかり元の状態っすよ。
左の写真がその金堂。人は多かったけど、世界遺産っすよ。中国の高僧・鑑真さんが寺を造り、現在の金堂はそのお弟子さんでソグド人(白人系)の如宝が金堂を造ったといわれている。天平時代に外人さんのお坊さんが日本にいたなんて!(詳細はちょっと前にブログで書いた)。
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鴟尾(しび)は屋根の上にのっかっているしゃちほこみたいな瓦だけど、これまでは片方が天平時代のもので、もう片方が鎌倉時代のもの。今回の改修でどちらもはずされ、平成の鴟尾に交換されたがもう鳩がウンコかけてますぜ。

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 古い建物をばらしてもう一度組み直すのは、新築より何倍も大変らしい。しかし新しい部材は極力使わないのが職人魂ってもんだ。この金具の位置をずらすことになったって、穴はちゃんと別の木で埋めてまでオリジナルの木材にこだわっている。こういうのが随所にある。ちなみに金堂の中にいらっしゃる毘盧遮那仏は現存する最大の脱活乾漆像。そのおとなりが本当に手が1000本ある唯一の千手観音。こちらもオーバーホール。1000年の間に手が950本になっていた。これ、手を全部取って付け直したんだよねー。
しかし、今回の写真は30年前のビンテージレンズをニコンのデジタルカメラに付けて撮影したんだけど、やっぱり色がいいなあ。コクがある。
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ハードディスクはとぶ。

 先日久々にハードディスクを飛ばした。つまり壊したってこと。使っている最中に電源が落ちる現象が起き、バスパワー(接続ポートから電源が供給されるタイプ)のポータブルハードディスクだったので、接触不良かなと思った。ケーブルをいったん外してつなぎ替えるとまた何事もなかったようにマウントするからやっぱりそうかと。その後ディスクチェックをしても問題なし。

 それが何回か続いてなんか調子悪いなあと思っていたら、遂に接続し直してもマウントしなくなった。ディスクチェックのソフトからもハードディスクが認識できない。逝ってしまった。
 実はまだ保証期間がきいていることに気づき、買ったビックカメラへ出した。
 数日後修理完了との電話があった。
 ところでビックカメラの修理カウンターはなぜかソフマップになっている。ソフマップってビックカメラになってるのか。とにかく壊れたハードディスクは新品になって帰ってきた。FireWire400のポートの付いた故障品は最新の800になっていた。
 ところが自宅に帰ってつないでみるとなんとその新品が早速故障。最初の10分はまともに動いていたのにマウントしなくなった。
 再度雨の中を修理センターに持って行ったら、店頭に在庫があったらそれを持って帰ってもらうという。なんだ、サービスいいじゃないか。ところが「この製品は生産完了品でして、メーカーに出さないとだめなんです」とのこと。
 それではしょうがないと、預かり票をもらって駅の方へ歩いていった。しかしよく考えてみるとFireWire800のやつはこないだまで店で売っていたことを思い出した。もしかしたらFireWire400の型番で在庫確認していたんじゃないか?
 携帯で問い合わせると案の定思った通りで、やはり在庫があるというのでまた取りに戻った。
 新しい店頭在庫は調子もいいし、書き込みも早い。よかったよかった。壊れたディスクの中身はさほどダメージのないデータだったけど、やっぱりバックアップは忘れちゃいけないなと思った。
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「moog」の発音

 これまでmoogは「ムーグ」と発音されていたが、実際には「モーグ」が正しいということで、数年前からシンセ通や雑誌などではモーグと表記されることが増えた。

 オランダでは「モーホ(ホはクホォみたいな発音)」、ドイツでは「モーグ」、英語では「ムーグ」らしい。でも「モウク」が一番近いんじゃないのかな? ご本人が決めたっていう正しい発音は。

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Michel Gondry

ミッシェル・ゴンドリーという映像作家が凄いと何年も前から口が酸っぱくなるくらい言っているというのに、世の中の評価はさほどでもない。作品集DVDも買ってしまい、彼の作品の素晴らしさにベタ惚れなのだが、なんと第2弾がリリースされてしまった。このMichel Gondry 2: More Videos (Before and After DVD 1)は、前作では収録されなかった古い作品から新しすぎて収録できなかったものまで入っていて、内容は充実している。ミュージック・ビデオ以外にもいろいろ収録されており、なぜかスティーヴン・セガールの娘、藤田文子さんも出演している。どういう関係なのか?

 なにはともあれ、収録されているPVは以下の通り。
1.    Michael Andrews ft. Gary Jules “Mad World”
2.    Paul McCartney “Dance Tonight”
3.    Thomas Dolby “Close But No Cigar”
4.    Björk “Declare Independence”
5.    Steriogram “Walkie Talkie Man”
6.    The Willowz “I Wonder”
7.    Beck “Cellphone’s Dead”
8.    The White Stripes “The Denial Twist”
9.    Donald Fagen “Snowbound”
10.  Cody ChesnuTT “King of the Game”
11.  Sinead O’Connor “Fire On Babylon”
12.  Queen with Wyclef Jean ft. Pras & Free “Another One Bites the Dust”
13.  Radiohead “Knives Out”
14.  Dick Annegarn “Soleil du Soir”
15.  Sananda Maitreya “She Kissed Me”
16.  Sheryl Crow “A Change Would Do You Good”
17.  The Black Crowes “High Head Blues”
18.  Leafbirds “It Can All Be Taken Away”
19.  The Rolling Stones “Gimme Shelter”
20.  Energy Orchard “How the West Was Won”

 1曲目のマイケル・アンドリュースの曲はTears For Fears初期の代表曲のカヴァーではないか。この曲は僕の大のお気に入りだったけど、日本ではなぜか評価が低い。ビデオのできは非常にいい!

 そして3曲目のトーマス・ドルビーのClose But No Cigarは90年代のニューウェーブの傑作として長年僕も愛聴してきた曲だけに、PVがミッシェル・ゴンドリーだったというのは感慨深い。テレビから人間が飛び出してくるCGは今見ると稚拙な技法だけど、当時としては貞子もびっくりのホラーまがいのアイデアだったのだ。
 8曲目のホワイト・ストライプスのPVは必見。PVの最後がタネあかしのような映像で締めくくられているが、そのエンディングにくるまで、この映像がどのようにして撮影されたかはまったく想像できないだろう。ほんと、よくこんなこと思いつくな。
 こうやって見ると、ミッシェル・ゴンドリーが仕事を引き受けるアーティストや楽曲には独特の共通点がある。やっぱり気に入らない曲の仕事は受けていないのだろう。いいセンスの曲ばかりだ。

それでDVDには収録されていないが、彼自身が登場するヒューレット・パッカードのCMがYou Tubeにあがっている。随所に彼らしいトリッキーな映像手法がちりばめられていて、なかなか面白いのでご覧あれ。

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