70年代にアメリカのメディア王の令嬢がテロリスト集団に誘拐されたという以前のドキュメンタリー映画。その娘っていうのがパティ・ハーストって名前なんだけど、彼女は誘拐された後、そのSLAというテロ集団の一員になり、銀行強盗などをやってしまう。
2年近い逃亡の結果、潜伏しているところを見つかって逮捕されてしまうが、逮捕されると突然態度が急変、「私は脅されていた」と主張。銀行強盗については有罪となり、7年の禁固刑になるもクリントンだか誰かの特赦で1年ちょいで釈放されてしまう。
これは作り話のようだが実話なのだ。そしてさらに驚くべきは映画が終わったあとの情報によると、彼女はジョン・ウォーターズ監督の映画に必ず出演しているらしいこと!
ジョン・ウォーターズ監督といえば、世界一下品な映画と酷評される『ピンクフラミンゴ』で有名な悪趣味変態系映画監督。男か女かわからない元祖ドラッグクイーンこと主演のディヴァインがラストシーンで子犬がしたてのウンコを路上から素手で拾い上げ、口の中に入れて嘔吐くシーンは圧巻だが(正常な精神の持ち主なら、そもそもジョン・ウォーターズの映画なんか観ないよな!)、とことんまで悪趣味テイストを追求した彼の作品にパティ・ハーストがどうやって出演しているのか、あらためてこれから映画を見直す必要に迫られているところだ。
ちなみに日本では未公開でまだ僕も観ていない「A Dirty Shame」は性的なものをすべて軽蔑するまじめな主婦が頭を打ってセックス中毒になるというエロ・コメディらしい。こちらにもパティが出ている。セックス以外の物に性的興奮を覚えてしまうと言う設定らしい。テレビでそういうこと言っていた。
それで思い出したのがデヴィッド・クローネンバーグの『CRASH』。交通事故に性的興奮を覚えるフェチ映画。あれはシリアスだし、観る人によってはドン引きする映画だった。かなり楽しめたけど。