定番のハードディスク
FireWireという言い方はMacだけでして、PCユーザーの方々はIEEE1394という名前で知られていると思いますが、MacはどういうわけかUSB2.0よりもFireWireをプッシュしてきた経緯があり、音楽の世界でもFireWireがよく使われています。
中でも音楽クリエイター達の中で定番となっているのはLacieのd2というハードディスクでしょうか。筐体がアルミ製で放熱性・耐久性も高く、FireWire以外にもUSB2.0やSATAでつなげられる機種もあり、転送スピードも速いのでよく使っている方を見ます。
値段は他社のものよりちょい高ですが、FireWire対応の製品がどんどん少なくなっていく中でLacieだけがFireWireに力を入れているのはとてもありがたく、何よりデザインにこだわっているのが購買意欲をそそられます。
ただ、中のドライブ自体は他社でも使われている平凡なもので、そこの信頼性はLacieも含めてどこのメーカーも似たり寄ったりです。ACアダプターも大きく、持ち運びには向いていませんし、そのACアダプタを頻繁に抜き差しする使い方にはコネクタの耐久性に若干問題があり、特に一昔前のd2は電源コネクタ基板とコントローラー基板をつなぐ箇所が貧弱でハンダ浮きがよく起こりました。
それでもみんながLacieにこだわりつづけたのは見た目の良さと(ミュージシャンはこれ重要)スピードだと思います。
オーディオ・インターフェイスとの併用
最近のMacにはFireWire800のポートがあるため、Lacieを800で、オーディオ・インターフェイスを400で接続している人って結構いるんじゃないでしょうか。800のほうが速度が速いし、トラックが増えてくるとオーディオ・インターフェイスもFireWireだとトラフィックが混雑しそうだから分散させる意味でそうしている…そう考える気持ちはよーく分かりますが、実はそれがとんだ間違いだと言うことに最近僕は気づきました。
FireWire400と800の混在はかえってスピードを鈍らせているのです!
この事実に気づいたのは後日ここで書こうと思っているデータのバックアップ作業の時だったのですが、明らかにこの混在はスピードに影響したばかりか、あらゆる問題を起こすことが分かりました。
オーディオ・インターフェイスの大手M-Audioでは400と800の混在はオーディオにノイズが乗るからやめろと警告しています。
このことはM-AUdioの関連会社でもあるデジデザインのサイトでも公開されています。
なんでも400と800はMacの中でバスを共有しているらしく、どちらかに統一しないとかえってトラブルや速度の低下を起こすのだそうです。
ケーブルで音が変わる
「またか」と言われてしまいそうですが、オーディオ・インターフェイスを接続するために使われているFireWireケーブルの品質で音質はやはり変わるようです。まだ僕自身がはっきりと試したわけではないのですが、それは容易に想像できます。
そこで何がいいのか、いろいろ情報を探ってみましたが、音質のことを考えたFireWireケーブルなんて実は殆どありません。
その中で注目すべきなのがMonster CableのPro FireLink Cable。
価格が半分くらいのローコスト版もありますが、それならEdirolのCFW-66シリーズも○。使ったことありませんが、シールドは2重で、結構よさそうです。
もう少々予算の出せる方なら秋葉原の小さなお店、平方電気さんがハンドメイドで作ってらっしゃるケーブルもあります。ケーブル自体はBeldenということですが、型番は不明です。
究極ではFine FocusのFFC-2601とか。値段見てびっくりすると思いますけど。
最後にオーディオ・インターフェイスをバス・パワーで動かしている方はぜひACアダプターでの使用と音質を比べてみてください。FireWireやUSBのバスパワーはあまりにも貧弱な電源です。きっとACアダプターのほうが音質がいいはずです。