シンセサイザーというものについて

 日本はこんなにハイテクな国なのにシンセサイザーというものに対するイメージの貧困さに僕はちょっと不満な時があるんですね。欧米みたいな自由さが日本にもあってほしいと思う今日このごろなのです。

 これはシンセに限って言われることではないのだけど、日本って、人が作った観念をそのまま受け入れる傾向が強いと思うことがあります。シンセというとなんかピコピコしててスペーシーな音。そいういう音を出す難しそうな楽器…それ以上でもそれ以下でもないという考え方が大半の人が持っているんじゃないでしょうか。
 それゆえバンド・サウンドにシンセを入れることに抵抗を持っている人は多いです。日本はバンドの音じゃないと受け入れられない人がかなり多いです。
 しかしEUやアメリカのバンドを見てみるとそんなことを考えているのはかなり少数で、面白い音が出るならばんばん使っちゃおう、みたいな考え方の人が多いです。先入観というか、ステレオタイプなイメージを持たずに、それをこう使えば面白くなるんじゃないかという発想でシンセを使っているから、とてもおもしろいものになっているものが多いですが、日本の場合はバンド・サウンドに取り入れるシンセはあくまでバンドの音を補完する脇役に留める傾向が強く、出している音もわりと常識的で無難なシンセらしい音を選びがちです。
 誰かが考えたイメージを踏襲する、という印象があるんですね。そこからあまり膨らませることはないんです。脱却しない。だからシンセの使い方もそんなにわかっている人は少なくて、プリセットで適当にやってる人が多い。僕はそこで終わってしまうのはちょっと守りに入りすぎな感じがするのです。

 面白い音やかっこいい音ができるとそこから生まれるフレーズというものがあってそれを楽曲に膨らましていくという逆の発想がシンセにはできます。そこがシンセが他の楽器にはない特徴だと思うんですが、世間に流布する「シンセとはだいたいこういうもの」というイメージから脱却できないと、「これを使って自分のイメージを体現する」というステージにはたどり着けないんですよ。ここが海外のバンドと違うところ。
 日本のバンドにありがちなのはあくまでエレクトロニックなイメージを楽曲に与えたいという漠然とした目的しか持たない場合が多く、先人が気づいてきた有意義で実践的なシンセの導入方法もさほど研究していない人が多いのは嘆かわしいことだなと思います。
 EDMは個人的にはそんなに面白いとは思わないけど、ああいう新しい発想が生まれてくるのは絶対日本からじゃないんですよね。

 エレキギターやベース、ドラムっていうのは違いはあってもだいたい音域は同じだし、アンサンブルとしてどう組み込むかっていうのは半世紀以上もいろんな人が試して確立された使い方があるから、とりあえず弾けばいいかんじにバンドの音になるようにできてるんです。もちろんプレイと音作りでかっこよさは全然違ってくるわけですけど。
 だけどシンセは低音も出れば高音も出るし、いろんな音が出るので使い方というのはあまり確立されたものがないんです。テクノとかでは定番の使い方みたいなのはあるんだけど、バンドのアンサンブルに入れるとなるといろんな工夫がいるんです。的確な音同士を組み合わせないと楽曲としてイメージの散漫なものになりがちだし。しかしそれは逆に言えば誰もやったことないような使い方もいくらでも考えつくってことでもあるんです。そこに適当に入れようとすると、ありきたりの音をバンド・サウンドに組み込むことになってしまい、無難で補完的な使い方しかできなくなるんです。
これが日本のバンドにありがちなシンセ・サウンドなんです。

 どんな楽器でもそうなんですが、楽器には「おいしいポイント」が存在していて、そこをわかっているとそういう難しいことがわからなくても聴いている人に面白いと思ってもらえる物が作れるので、演奏の部分ばかりに気を取られずにシンセに向き合うといいなと思います。
 先入観をもたずに「自分ならこう使う」みたいな発想で使うときっと面白いものになると思いますよ。

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長らくブログを更新しなかった理由

実は今年の1月末から体調を壊し、2月6日あたりから入院するはめになってしまいました。そして3月下旬に退院。腸の病気だったのですが、点滴のために若干メスで足の付け根を切った以外は手術もせず、薬だけで治しました。
体重が15キロも減って退院直後は歩くのもままならず、どうなることかと思っていましたが、今では体重もいい感じに戻り、食事に多少気をつけて薬を飲んでいる以外は今までと変わらない生活を送っています。

 今思えば去年は自分にとってはあまり良くないことがいろいろあった年で、入院はその総決算ともいえたわけですが、退院後はもういいことずくめで仕事も順調にいっています。ブログを更新できなかったのは入院のせいもありましたけど、退院後の仕事が忙しくてやってなかったせいもあります。喪が明けたような感覚です。

 本来はあまり忙しいのは病気にもよくないので、なるだけ無理をしないようにしていますが、また仕事に復帰できて嬉しいです。いい仕事ができていると思います。オーバーに言うなら一度死にかけた、という経験を大事にしてこれからの人生を見つめ直していきたいと思っています!

そして皆さんにお伝えしておきたいのは、コルグから発売されたArp Odysseyの再生産モデル、そのオフィシャルサイトにいくつかコンテンツを提供させていただきました。ご興味のある方はぜひのぞいてみてください(今後もコンテンツは増えていくと思います)。

ARP ODYSSEY

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ツール・ド・フランス、今日で最後。

 今ちょうどパリのルーヴル美術館の前を走ってます。パリの街は選手を迎えるギャラリーで埋め尽くされています。フランスの人にとってこのスポーツは一大イベントなんだなと思いました。今年はフランス人がいっぱい活躍したしね!
 シャンゼリゼ通りの石畳を走り抜ける。凱旋門をくるりと回ってまたシャンゼリゼ通りを下り、コンコルド広場を通ってまたルーヴル美術館の近くに戻る周回コース。今日はツールのためにパリの一番賑やかな場所を道路封鎖してる。
 今年で引退を表明した42歳のフォイクトがアタック。デコボコの石畳の上を爆走する選手たち。感動的な今年のツールもあと50km足らずで終わりです。

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stillichimiya ニューアルバム「死んだらどうなる」

山梨でヒップホップ界を揺るがしかねない事案が発生しています。 stuillichimiya(スティルイチミヤ)がニューアルバム「死んだらどうなる」をひっさげて大暴れしております。

田我流が在籍しているクルーということでご存知の方も多いと思いますが、シャレの部分とシリアスな部分をたくみに混在させながら独自の作品を作っている彼らですが、映像作品のクオリティの高さでも定評があります。今回ニューアルバムに合わせて5日連続で公開された5つのCMを全部並べてみたのでぜひ見てください。BGMはアルバムに入っている曲です。
 ま、パロディなんですが、知ってる人が見たらニヤッとする作品ですね。

(マスタリングは僕が担当させてもらいました)

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proun.net、実は20周年。

 このヴィンテージ・シンセサイザーに関するサイトは、旧名teknoboとして1994年にスタートしました。当時はまだインターネット創成期で、あまりやっている人も多くなかった最新のインフラだったのですが、海外ではわずかにシンセサイザーの情報サイトを立ち上げている人がいました。
 でも日本ではまとまった情報を提供している人がほとんどいない状態の中、僕はインターネットからいただいた情報の恩返しのつもりでteknoboをはじめました。 続きを読む

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Visage Live at 高円寺Highに行ってきました。

  数少ない僕の仲間たちw 左からRIS掟ポルシェ花形ハヤシ、自分。 Steve Strangeはまったく期待を裏切らない人でした。ちょっと握手してもらったけど、写真は一緒に撮らなかった。 でもこの人達は見て分かる通り、いつもながら楽しい人達でした。 続きを読む

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日本の自転車文化に一言。

スポーツ系自転車に乗ってかれこれ10年になろうとしてます。晴れていればとりあえず自転車で通勤してますが、僕の通勤距離は片道16.5km。往復で33kmです。家の場所をはっきり公表してないので詳細は書けませんが、だいたい新宿〜立川くらいの距離を毎日走っている計算です。 本気で走ればですが、だいたい片道45分でいけます。これは信号は無視しない、というルールでの最速で、危険を冒さないスピードでの限界値です。信号がなければ減速もないので多分35分を切れます。ドア・ツー・ドアなら電車よりも速いですね。
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