金沢旅行

 先月30日には新生9dwの初ライブ(公式には)があり、やっと一息。自宅に帰ってきたのが夜中の1時くらいだったけど、そこから殆ど眠らずに朝6時起きで金沢へ行ってきました(笑)
 羽田から飛行機に乗ること1時間。現地へはちょうど昼ぐらいに着きました。
 金沢は小京都と呼ばれているだけあって、とても京都に似ていました。古い町並みとファッションビルとうまい食べ物と…。それが京都よりも小さなエリアに全部集まっていて、1カ所で全部回れる感じ。金沢の人はみんな気さくでどこの店に入ってもとても愛想がいい。人口が少ないのでお茶をするにも並ばずに入れるし、テーブルの大きさも大きいし、どこもゆったりとした感覚。いわゆる街のギャルでさえ見た目は東京と比べると随分控えめなメイクでした。
 街のあちこちに小川と木があって、自然がとても残っていて、散歩にももってこい。これが繁華街のど真ん中にあるとは思えないゆとりのある環境なんです。
 そんな中、川の横の道を歩いていると、40代後半の女性の人が「大変!」と言いながら向こうから走ってきました。川をのぞき込んでいるのでてっきり子供が流されたんじゃないかとあたりは騒然。女性は川下のほうへずっと走っていってしまいました。周囲の通行人も何が何だか分からず川をのぞき込んでいましたが、川の流れは随分速く、何か流されたとしても助けに行ける状態じゃなかったのです。
 そんな時、橋の下から「ニャー」という子猫の鳴き声が! みんなは猫が流されたとその時分かりました「あ! 鳴いてる!」みんなどうしていいのかその場の状況を見守っていましたが、橋と水面の間は50cmくらいしかなく、猫はの声はするけど姿は見えない状態。あたりの人はみんな川の中をのぞき込んでいるし、通り過ぎていくおじさんが僕に「何があったの?」ときいてきて、対岸のスーツを着た若い男の子は「こういう場合、どこに電話すれば助けに来てもらえるんでしょうね?」と川越しにしゃべりかけてくる。ほんとにみんな人なつっこいかんじ。
 結局子猫は橋の下流に流されたところを助け出されたらしく、一件落着。その状況を知らんぷりしている人なんて殆どいなかったのが印象でした。
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 ですが金沢の目的はそういう観光ばかりではなかったのです。今回の旅行の最大の目的は、前から計画に入っていた、金沢21世紀美術館でやっている日本初個展の「ロン・ミュエック展」を観に行くことでした。
 東京へ来るなら待っても良かったんですが、どうやら金沢だけしかやらないみたいなので、こりゃ行くしかないだろうと思い立ち、今回の旅行に。
 ロン・ミュエックはロンドンに住んでいるオーストラリア人で、今年50歳。当初はイギリスの子供向け番組のキャラクターデザインなどを手がける造形クリエイターだったそうですが、近年その技術を生かした超リアルな人体オブジェで注目されるアーティストです。
 彼の作品はこれまで発表されたものの殆どが人体、つまり人間を題材にしていて、シリコンで作られたそれはまるで生きている蝋人形のよう。浮き出た血管はおろか、体毛やニキビ、肌の色ムラまでホンモノそっくりなのですが、いわゆるリアルな蝋人形とまったく違うのはその「大きさ」です。体長が5mくらいありそうな新生児やベッドに横たわる女性。まるで見ているこちらが小さなネズミにでもなったような気分です。逆に1mに満たない大きさの「小さな人間」もいて、だけどスネ毛がリアルに生えているのですよ。
 どの作品も具体的に今何かをしている人、というようなものは少なく、表情やポーズから見ている側に様々なイマジネーションを起こさせるようなものが多いです。その表情の切り取り方やよく考えると非現実的なシチュエーション(裸でボートに座るオヤジとか)がうまく作品にヒネリを与えているようです。
 百聞は一見にしかず、というわけで、you tubeに今金沢に来ている作品とかなりかぶった作品を紹介しているスライドショーがありましたので、ぜひ見てください。

この下のビデオではメイキングも見られます。この手を挙げている妊婦の作品は金沢には来ていませんでしたが、字幕入りのメイキングビデオが会場でビデオ上映されていました。

あとこのスライドショー、画像が鮮明で面白いです。これ必見。
ブルックリン・ミュージアムのスライドショー

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