自慢ではないけど、僕は花粉症の先駆者でした。発症したのは1975年頃。まだその頃は花粉に反応している人がいなかったどころか、その原因が花粉にあることさえ判明していなかった時期で、僕は周囲から「蓄膿症だ」と言われ続けていました。
通っていた耳鼻科は昔からある町医者で、待合室の壁がベニヤっぽい、一般の民家みたいなところ。行っても鼻の奥に管をつっこまれて鼻水を吸い出し、妙なニオイの薬を機械で噴霧されるだけ。もちろん病院の帰りは異常なほど鼻がスースーしているのですが、それから2時間もたてば元の木阿弥で、もうズルズルなわけです。
高校受験の頃までは誰も「花粉症」なんて言っているやつは周囲にはいなくて一人さびしく鼻をすすっている青春時代でした。ところがいまや花粉症仲間だらけですよ。子供の頃、元気だった周囲のやつらも今では鼻水ずるずるいわしてるんだろうなあ。
一般的な抗ヒスタミン系の鼻炎薬は僕には異常な眠気を起こさせるようで、あれを飲むと何日もボーっとしている状態が続いてしまいます。だから飲めないんです。でも最近ではいい薬もできていて、僕の場合はオノンという薬に出会ってからはほぼ1年を通してそれを飲み続けています。この薬は鼻水を止める物ではなく、アレルギーの症状を出なくする薬で、長期間服用するタイプです。ぜんそくの治療なんかにも使われています。もちろん処方箋がないと買えませんが、僕にはとてもあっているらしく、シーズンの前くらいからはちゃんと朝夕飲んでおけばかなり症状が軽くなります。しかも眠くならない! 市販薬なんて話にならないような僕にとっては夢の薬なのです。
ところがそれでも花粉の多い年には症状がひどくなってしまい、効き目の穏やかなオノンでは対応できない、そんな時もあります。それでも眠くならないから飲み続けているわけです。
で、つい先日からの話なのですが、どういうわけか僕の体に大きな異変が起きているのです。なんと「花粉症」の症状が出なくなっているのです。30年以上もつきあってきたこの持病が突然治るなんてことはあるわけがないのですが、この1週間、嘘のように花粉に反応していないんです。電車に乗るとマスクをしている人が多く見かけますが、それだけ花粉は飛んでいるってわけですよね。なのに僕は平気なんですよ。
ある日、すごい反応の激しい日があって、僕は何度も鼻を洗浄剤で洗ったり、点鼻薬を入れてごまかしていたのですが、寝て起きたらその次の日が雨だったんですね、で、雨の日はあまり花粉が飛んでいないせいでいつも症状が軽いわけです。その日反応がなかったのも雨のせいだと思っていました。
ところが次の日が晴れでも、僕の鼻はなんともないわけですよ、これがまた。どうしちゃったんでしょうか。そこからずーっと出ていないんです。
とりあえずまた発症するんじゃないかとそれだけを恐れて例のオノンは飲み続けていますが、ほんと、今年は軽いです。ちょっはと反応しているんですが、鼻がつまるほどじゃないんですよ。今後どうなるのか、また何か進展があれば報告します。