Yamaha PC2002M / P2200Mのランプ交換

Yamahaの古いアンプって音いいですね。つくづく思います。そんなに派手じゃないんですけど、いいバランスで鳴る優等生なやつです。うちには大小合わせて4台あるんですが、そのうち2台が大きなVUメーターが付いています。

 しかしこのアンプたちが作られたのはかれこれ30年前。サービスマニュアルを見ながらバイアス調整したり、もっと太いスピーカーケーブルがさせるようにターミナルを交換したりしながら日常使い続けていますが、手に入れた時からランプが暗い、とうかムラがある感じでした。
 調べてみるとメーター上部に何個か電球が入っているらしく、それの何個かが切れているせいらしいのです。LED化するって手もあるのですが、いくつか条件があるのと、電球色ってやっぱりいいよね、というこだわりから交換電球がないかと探していました。
 もしかしたらアンプの達人なんかはこのあたりのノウハウをお持ちなんでしょうが、まともに紹介しているブログが存在しなかったので、自分のブログに書いておこうと思いました。きっと同じ問題で困っている人がいると思うので。

 まずYamahaのこのシリーズのアンプに使われているランプは特別なゴムの土台が付いているスペシャルなもので、まずこれごと交換する部品はなかなか売っていません。しかしそのゴムの土台と電球は外すことができて、電球部分だけなら今でも手に入ります。なので電球だけ手に入れて自分にゴムにはめてやればいいのです。



 まず電球(写真)。これは「麦球/ムギ球」というそうです。初歩的なことを知りませんでした。麦球であたってみるといくつか10個セットみたいなのを売っているところがありますのでそれを買ってください。脚はむき出しのリード線になってるものにします。仕様は12V 60mAが適合。僕はAmazonで買いましたよ。値段も安いです。機種によって必要な個数は若干違いますが、PC2002Mで12個、P2200Mは覚えてないですが10個だったと思います。電球はどちらも同じものでいけました。

 まずアンプの電源を抜いて天板とフロントのメーターとボリュームが付いているパネルを外してください。(電気のたまっているでかいコンデンサーには手に触れないように!感電する場合があります)メーターの裏上部にランプの並んでいる細長い基板が見えると思います。これをとめているネジを外します。
 基板が取れたらゴムを外していきます。まだ光っているランプを残して切れているものだけ交換するのもありですが、古いものと新しいものは光量が全然違うので(寿命もそうだけど)、余裕があれば全交換をおすすめします。ゴムは金属の棒2本に刺してあるだけなので引っ張れば簡単に抜けます。


抜いたゴムは上のイラストみたいになっています(適当に描いただけなのですみません)。麦球の足を一旦下に通して下から出た足をUターンさせて隣の穴から上に向けて通してあるだけです。これをピンセットではずして同じように買って来た麦球を付け直してやります。上から出てあまっている麦球の足は切ってください。この麦球の足が通っている穴にさっきの基板の棒をぶっさすことで麦球と接触しているだけの単純な構造です。ちなみに麦球に方向性はないです。

 これが全部できたら外したものを全部元の状態に戻してください。これで一番上の写真のようにピカーっと光ると思います。(すべて自己責任でやってください!)

開けたついででテスターとかをちょっと使えるくらいのスキルをお持ちでしたら各種キャリブレーションをおすすめします(自己責任で!)

まずDCボードの+80VとEの端子間、-80VとEの端子間をそれぞれ+80V / -80V(±0.5V)になるようその横のB1Kを調整。

DAとDBボードそれぞれのPE〜CT間が11mV(±0.5mV)になるようB1K(A ch)とB1K(Bch)を調整。

DCオフセットはCT〜E間が0mV (±10mV)です。これは調整はできませんが、異常がないか確認します。

可変抵抗はめっちゃセンシティブに動きますので結構たいへんですよ。

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Yamaha NS-10M Studioのコンデンサー交換

古くなったNS-10M Studioのコンデンサーを交換して音質向上。

 これについてはいくつか言及しているブログがありますが、まったく同じ内容のものがないようなので書いてみようかなと思います。

 うちのNS-10M studioもかれこれ30年選手になり、今でもいい音を出していますがさすがに中の部品は劣化しているだろうということで交換してみることにしました。ご存知の通り、スピーカーには入ってきた信号をツイーターとウーハーに切り分けるためのネットワーク回路が中に入っていまして、つまりそれは信号を高域と低域にフルターで分けているわけなんですが、この回路の出来次第でスピーカーの出音は大きく変わってしまうわけです。
 中でもコンデンサーは経年劣化する部品として知られていて、これが30年も経つとヌケが悪くなってきたりする原因になったりするわけなんですね。変化があまりにゆっくりなものですから気づかないことがほとんどなんですが。
 そこで新品に交換って話になるんですが、NS-10Mに使われているコンデンサーは同じものはさすがに入手不可で、代替品を探すことになります。ところが2.7uFという、不思議な数値のコンデンサーが2個(ペアで4個必要)入ってまして、これがなかなか同じものが探せず、2つ、あるいは3つの違うコンデンサーの組み合わせで同じ数値に持っていくという荒技を試している方が多いです。

 僕の場合、こういう情報は日本のブログや掲示板にはあまり頼らないようにしています。というのは有用な情報を持っている人は日本にもたくさんいるのですがあまり他人とシェアしない人が多くて、たいてい中途半端な情報にしか行き着かないからです。そこで海外の掲示板に頼ります。そうしている方も多いかもですね。もちろん英語で話あってるところにいくわけですけど、結構使える情報ってあるんですよ。というわけでここに書いてあることも受け売り情報です。

 

写真はグレーのコンデンサーがオリジナルで、黒いのが入れ替えたあとの状態です。ウーハーを外して中のグラスウールを取り出すと見えますので、ボックスレンチで基板のネジを外してください。あとはハンダをいったん取り除いて入れ替えです。コンデンサーはボンドでくっついているので強引にはずします。周辺のパーツを傷めないように! あとスピーカー自体の振動で新しいパーツも動かないようにホットボンドとかでまた固定してあげてください。全部自己責任でやってくださいね。

替えたのはJANTZEN CROSS CAP。

 で、そういう海外のお友達から教えてもらった情報なんですが、デンマークのJANTZEN AUDIOっていうスピーカーまわりのパーツばかり作っているメーカーが同じ数値のフィルムコンデンサー(2.7uF)を作っているらしく、いくつかあるグレードの中でもCROSS CAPっていうのがいいよって教えてもらいました。
 調べて見るとコイズミ無線さんにありました(2017年9月現在)。2.7はリストにはないんですが通販のページをめくっていくと出てきます。低域用のバイポーラの10uFもPARC Audioってのに交換してみました(国産のアルミ箔を使ってウーハー用につくらている誤差の少ない製品らしいです)。通販だと全部で3,000円ちょっとで買えると思います。

 で肝心の音質について。これはみなさんにお勧めできると思います。3KHzあたりにスムースさが出て、全体的に中域にパンチがでました。レンジの広さも感じますが、NS-10M Studioのニュアンスはそこなわずにしっかりと音がでている印象です。「まったく別物になってしまった」というような感じはなく、10Mのカラーをちゃんと残しながら音質向上がはかれました。ですからこのリプレースのやり方はかなりイケると思います。ジャンセンやるな、ってかんじですね。PARC Audioのコンデンサーもいい仕事しているんだと思います。おそらくオリジナルよりいい音になっていると思いますが、僕みたいにこのスピーカーで仕事しているエンジニアさんなんかでも試してもらってもそんなに不満の出る人はいないんじゃないか…とりあえずいい方向にはいける方法だと思います。

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