大阪ダブル選挙をまったく別角度から見る。

言っときますが今日の話は政治的な信条を述べるわけじゃないです。どっちの言っていることが正しいのか、そういう議論はここではあえてやめておきます。まず「選挙」というもの自体に視点を向けてみます。 受験みたいな選挙。 僕のいる音楽業界というのはなにげに高学歴で、血で血を洗う壮絶な受験戦争をくぐり抜けてきた強者がたくさんいらっしゃいます。そういう方たちの話を聞いてみると、受験にはもちろん実力というものが必要なのは当然ですが、「受験」そのものを攻略するためのテクニックというものを身につけることが必須なんだそうです。 受験そのものを客観的に分析した上での攻略方法がどうやら存在するようですね。そういうものを経験したことのない僕にとってはまるで未知の世界ですが。 選挙にもそれと同様にやはり実力とは無関係の「攻略方法」が必要なんじゃないかと今回のダブル選挙を見ても感じました。 ご存じの通り今回の選挙では平松さんが敗退し、橋下さんが選ばれたわけですが、明らかに橋下さんは大学受験や司法試験の場で比較的新型の「受験テクニック」を身につけてきた人物のようです。もちろん平松さんも同志社の法学部卒でテレビ局のアナウンサーを経験してきた方ですからそういう受験は経験されてきたと思いますが、受験テクニックという部分で言うと橋下さんに比べると一世代昔の話になります。橋下さんの時代のほうが実力以上に、悪い言い方をすればよりずるがしこくならないとライバルを出し抜けない時代だったことは容易に想像出来ます。そういうテクニック馴れの感じが選挙でも見え隠れしていたように僕には感じました。 選挙に必要なのは実力よりパフォーマンス 僕が言う政治家の実力とは政策の実行力のことですが、実績があるという面では平松さんはだいたいどれくらいの仕事ができそうか、有権者にもある程度想像しやすかったんじゃないかと思います。一方橋下さんは府知事としての実績はあるものの、非常に難易度の高そうな政策を掲げておられるのである意味できるかどうかは未知数の部分もあります。 なのに有権者は橋下さんを選んだ。これはどういうことでしょうか。 僕だけじゃなく誰でも政治家には実力が最も重要だと思っていますが、選挙に勝つというテクニックの部分で言えば、そこのプライオリティはかなり低いんじゃないかと思っています。 有権者の大半は政治に関してそこまでに詳しくはないですし、新聞やテレビから得られる情報くらいしか知っていることは殆ど無いと言っていいでしょう。あとは「印象」で決めていると断言していいと思います。 某新聞社の社説で大阪市民は人柄とか知名度とかで誰に投票するか決めがち、といった(実際の表現はちょっと間違っているのかも)ちょっと小馬鹿にした論説を述べていましたが、それは偏見としても2割くらいはあたっています。そして平松陣営は選挙期間中も橋下氏の耳障りの言い言葉で惑わされないようにとしきりに呼びかけて言いましたが、これはまったくもって橋下さんの選挙テクニックにほかならないのです。実行力はともかく、分かりやすい言葉で有権者に説明できるキャッチーさと、時には大げさなパフォーマンスを巧みにあやつれた人間が選挙に勝つのは当たり前の結果なのです。逆に言えばどんなに実力をもった政治家でも、こういう振る舞いがちゃんとできないと有権者には全然うけない。選挙に負けた側からしてみれば実力と違う部分で有権者が相手を選んでしまったことに理不尽さを感じていることでしょうが、選挙テクニックをわきまえた人間が選挙に勝つのは当たり前と言えば当たり前なのです。 討論会に見た橋下側の心理作戦  これは11月12日に行われた二人の討論会の様子です。かなり長いのでこの映像を全部見るのは大変ですが、この映像を見るとなぜ平松さんが負けてしまったのかがよくわかります。 平松さんは元アナウンサー、橋下さんは弁護士と、お二人とも話術の達人であるはずなのですが、橋下さんは始終自分のペースで平松さんと自分がどう違うのかを誰にでも分かるような言い方で端的に説明しているのに対して、平松さんは時おり橋下さんの発言に対して感情的になり、必死に反論すると言った様子が見て取れます。ずっといらいらしている感じですね。ディベートで言えば、これは完全に橋下さんのペースに乗せられてしまっている状態です。もしかするとあえて平松さんをいらだたせ、必死に反論させるような言い方を橋下さんがわざとやってるんじゃないかと思えるような所もあります。例えば洪水になりそうな地域の地下に大きな水路を掘って雨水を海に流そうという計画のくだりで、橋下さんは「大阪府が先に掘ってるのに大阪市がぐずぐずして掘っていないからただの穴になって水が流れない」というような愚痴を言っていましたが、それに対して平松さんは 「ちゃんと掘っている。報告があなたに上がっていないだけ」といった具合に声を荒げています。すると橋下さんは「いや、ちゃんと(掘っていることを)聞いてますよ」というのです。大阪市が既に穴を掘っていることを知りながら、あたかも大阪市のせいで工事が止まっているような印象を持つようなことを言っていますが、これは確信犯でしょう(もちろんぐずぐずしていたことは事実かも知れませんが)。平松さんを興奮させるような言い方をわざとしているんだと僕は思いました。平松さんはそういう橋下さんが仕掛けたいくつものトラップにまんまとひっかかって、自分の理念を述べることより橋下さんの言ったことに対する反論に始終時間を取られ続けてしまっているのです。そうなると聞いている側にとっては橋下さんは政治家として大きく見える壮大なビジョンを語っているのに対して平松さんは重箱の隅をつっつくような弁解を非常に難解な用語で言っているだけのように見えてしまいます。もちろん橋下さんの態度に不快感を感じた人もいたと思いますが、選挙の結果を見てもどちらかといえばそう感じた人のほうが少なかったと考えていいんじゃないでしょうか。 どっちの言っていることが正しいかは別にして、有権者に見える場所でどういうパフォーマンスができるか、この討論会ではそのテクニックの違いが如実に表れてしまったと思います。この差が選挙の結果を左右するということは火を見るより明らかでしょう。平松陣営が集票だけではなくこの対策にもっと取り組んでいたら、結果はもっと違ったものになったかもしれません。すくなくともその部分において橋下さんのほうが優れていたと言うのが率直な僕の感想です。 あ、最後に言っておきますが、僕は政治については本当に素人です。僕の言っていることがすべて正しいとは思っていないので、あしからず。

DDPデータをオーディオCDにして再生する方法【Mac版】

最近はCDのマスターをDDPという形式で工場に納品する事が多くなりました。DDPはCDの音を極力劣化させない納品形態として普及していて、マスタリング専用ソフトの中でもこのフォーマットで書き出せるものが増えてきました。 ところがこのDDPは一般的にはまだまだ知名度が低いし、レコード会社の中でもディレクター・レベルの方でないとDDPという言葉さえ聞いた事がない人もいるくらいです。 このDDPの取り扱いになれていない業界の方々は、インターネットなんかで転送されてきたDDPデータをなんとかして自分のパソコンで再生できないものかと四苦八苦することも多々あります。できればCD-Rに焼いて、実際の製品と同じようにCDプレーヤーで聴けたらいいのに、と多くの人がそう思っている事でしょう。 実はMacでこれを実現する方法があります。X Lossless Decoder、俗称XLDというソフトを使う方法です。 このソフトはドネーションウエア、つまり使って気に入ったら寄付してねというたぐいのソフトでありながら、非常に多彩なオーディオの変換機能を持っていて、しかも作者は日本人なのです。こんな優れたソフトをMacで開発しているなんてほんとありがたい話です。 left このXLDはDDPを構成するファイルのひとつであるDDPMSを直接Cueファイルのように開くことができ、そのままCD-RにオーディオCDとして焼いたり、mp3やWAVにエンコードしたり することができます。古いバージョンではオーディオCDに焼く段階で問題がありましたが、最新版では修正されています。頻繁に更新されているソフトで日々改良が加えられています。 インターフェイスはいたってシンプルで、ぱっと見はそんなにいろんなことができるようには見えないかもしれませんが、はっきり言ってこれはオーディオを扱う人にとっては必須アプリといっていいでしょう。ぜひ試して気に入ったら寄付してあげましょう!(僕も若干ですが寄付しました) DDPからオーディオCDが焼けるのはMac版ではこのソフト以外では高価なマスタリングソフトだけしか知りません。ウインドウズでも同じ事をするには結構めんどくさいことをしなければいけないというのにMacで簡単にできるなんて感動です。 またオーディオCDからリッピングしなければいけない時にも”AccurateRipデータベースで整合性を確認する”モードがあり、通常のリッピングよりもより厳格に作業を行えます。これも使える機能です。 2014年3月7日追加:こんなソフトも安価であります。 http://hofa-plugins.de/pages/start_en/hofa-ddp-player-player-maker_en.php DDPファイルからToastでオーディオCDが焼けるイメージファイルを作る【Mac編】