うー、ここ2ヶ月は正月の連休をのぞいてまったく休んでいない。家に帰ってくる時間はてっぺんを越えることも多い。でも今がんばんないとだめなんすよ。ふー。でも毎日充実してます。
美しいあなたに、こんな手紙を書けるか と思ふと嬉しくて耐らない。
どうぞ読んで下さい。
白状しますれば僕は君が慕はしくて耐らない。
確に僕は君に戀して居ます。
少々滑稽だけど僕は君のことを考へるときつと眞赤になります。
ひとりではづかしくなる。
あなたはあなたのおもかげは絶えまなく僕の物思ひに上つて居る。
美しい物を見た時の聯想はきつと あなたです。
僕は君が大好きで世界で一番美しいと思つて居る。
何となれば君はオープレー・ピアズレーと云ふ畫人の描く神経的な美人によく似て居るから。
そして僕はオープレーピアズレーが大好きだから。
あなたはほんとに御綺麗ですね。あなたはそして神経質ではありませんか。
どうか神経質になつて下さい。 君は多分私の様な粗野な百姓はおきらひでしやう。
僕だつて君の気に入る人間だとは思つて居ない。
しかし僕はいくら君が僕がきらひでも僕は君の事を思ひつづけますよ一生思つてあげます。
僕はあなたの精神にも肉体にも戀して居ます。
僕と友達になつて呉れないか。
僕は外面的には恐ろしく汚ないが、内心には 君の友人として恥づかしくない実質を有つて居ますよ。
僕の友人になつて僕に君に始終手紙を出したりする自由を許して呉れ給へ。
そうすればどんなに嬉しいでしやう。
あなたはいつまでも子供で居て下さい。僕だつて子供です 一生子供です。
僕は藝術をやるのです。二、三年のうちにはきつと僕の作つた芝居が劇場で演ぜられましやう。(少々怪しい) その時には一番先にあなたに見て頂だきたい。
ですからその時あなたに招待状をあげる為には 君と早く友人になつて置かなければならないと思 つてこんな下らない事を書いたのだ。 僕は貧乏ですからあなたにささげる眞心 には偽はありませんよ。 僕はつくづく書きながらもあなたの綺麗さを思つて 居ます。
あなたはベルサイユ宮殿に住んでる人か 巴里人か 花火か 絵か 音樂か…何だか知らないが美しい。 ご返事をお閑な時に呉れたまへ お閑な時でよろしく さよなら 稲生きよし様
村山槐多