忙しくてすっかり紹介が遅くなってしまったけど、Wax PoeticsのUS版 Issue 34に僕も参加させていただいている9dwが紹介された。3月のテキサス州オースチンで行われたサウス・バイ・サウス・ウェストのライブではアンコールまで起きてしまう事態におちいり、我々メンバーもそのリアクションの大きさに圧倒されてしまうというくらいそれは一大事だったわけだったけれども、帰ってきたらアメリカのWax Poeticsに載ってたってわけ!
月別アーカイブ: 2009年5月
ピグミージェルボア
iLokが壊れるとこうなる。
2009年にiLokを壊してからはや13年。今度はiLokを紛失してしまうという大失態をおかしてしまったため、記事を書き直すことにした。
ここに書かれていた記事もさすがに古くなったため、僕が経験した、あるいは知っていることで書き直すのだが、壊れた場合の対応については現在もさほど変わっていないはず。だけど実際に手続きをやったわけではないので間違いがあるかもしれないということはお伝えしておきます(自分で間違いに気づいた場合は修正します)
まずiLokトラブルの手続きには3種類ある。
1.壊れた
2.紛失
3.盗まれた
僕が経験したことのあるのは1と2だけなので、これについて書きます。
まず壊れたときと無くした時の違いってなんだということ。壊れてても別に新しいの買うんだからなくしたことにすればいいんじゃないのと思った人は大間違い。僕は旅行先でどっかにいってしまったわけだけど。
壊れた時
壊れたらまずその壊れたキーを米国のPace本社で郵送することになる。バキバキに割れていてもかまわない。おそらくは中身をなんとかして見るというより実際のキーを持っているのかを確認するためかもしれない(想像)。以前郵送にかかった費用はEMSで1200円。今は若干違うのかも。でも追跡ができるやつで送ったほうがいいと思う。日本とアメリカの郵便事情は同じではない。
本体を確認したらそのキーに入っていたライセンスをPaceがライセンスマネージャーのAvailable項目に復帰させてくれる。あとは新たに用意したiLokキーにそれをインストールするだけ。
なくした時
紛失の場合は当然ながらiLokキーは送れない。しかしキーに入っていたライセンスはiLok/Pace社が復帰してくれないのだ。ここが大きな違い。キーの再発行の権限はそのライセンス発行者が持っている。修復の場合は再発行ではないってこと。ってわけで復活させたいプラグインのメーカー1社ずつに自分から連絡をとっていくことになる(おそらく盗まれた場合も同じことをする)。ちなみに手続きをするとあとからキーが出てきても復活はできないので要注意。そのキーを初期化して別のものを入れようなんてこともできない。キーの固有IDで弾かれる仕組みだ。
まずライセンスを再発行してもらうにあたってRMAという手続きがiLokのウェブサイト上で必要で手続きが終わるとRMA番号が発行される。これが必要なメーカーもある(気にしてなさそうなメーカーもあった)。
あとで知ったことだが、僕がRMAの発行手続きをすると、対象になったプラグインメーカーに自動的に僕の情報が行くようになっているようで、気の利いたメーカーは向こうから先にメールを送ってきてくれた。これがメーカーによって対応が全然違ったのでプラグイン別に対応状況を書いておく。
Avid Pro Tools
アカウントにログインしたら専用の手続き画面があった。RMA番号やiLokアカウントを入力してどのライセンスを復活させたいかを選択。どうやらパーペチュアルは手数料無料で、アニュアル・アップグレード系の場合だけ4400円出してサポートコードを買わないといけないみたい(間違ってたら指摘してください)。
結果的に誰ともメールでやりとりはしてない(当然向こうからの連絡もなし)
Melodyne
速攻で向こうからメールが来た「復活させるライセンスはまたiLokを使いたい?それともオンラインでアクティベーションさせる?」「じゃあオンラインでお願いします」これで速攻復帰。そこからメールは何も来ないが対応が速い!
sonnox
向こうからメールが来た。だがプラグイン1種につき10ポンドの手数料をもらうと。もうひとつのキーにライセンスを1個うつしてあったからもういいやってことで頼まなかった。
XILS 5000
こちらからメール。やっぱりiLokから連絡は来ていたもよう。中の人いわく「よくわからないんだけど、iLokがフルタイムのライセンスを発行してくれるのかな。そうじゃなかったら僕が発行するから言ってね」全然わかっていないがここのメーカーの中の人は融通のきくナイスガイなのだ。 他にもいろいろあったがざっとこんなかんじ。 Zero Down Time これは壊したり無くしたりしてもすぐに一時的なライセンスを発行してくれるサービスで30ドル。なくしてからでも入れるがデポジット期間の1週間は何も発行してくれない。すぐにでもほしいという人は追加100ドルで即時発行。ただし返品不可(しないと思うけど)。
臨時発行のライセンスは半月ぐらい有効なのでその間にメーカー連絡するなり本社へ郵送するなりをやってしまおうって感じ。
あと決済の最後の方で新しいiLokをうちから買うかって聞かれますが、日本で買ったほうが安上がりなのでそれNOを選びましょう。
あと無くした状況を書く項目が合ったので僕の場合はI lost my key while traveling.とだけ書きました。 以上がiLok復活のやりとりの全て。以下は2009年の時に壊れたキー修復にかかった費用です(現在は料金や修理手続きが変わっている可能性があります) Pace特急料金 100ドルゼロ・ダウンタイム 30ドルライセンス修理費 39.95ドルEMS送料 1200円 トラブルを避けるために:USBの抜き差しに耐えられる回数は1500回
USBは簡単に抜き差しができる便利な規格だが、実はジャックとプラグにはどんなものにも抜き差しに耐久性がある。USB規格の公式なものだと1500回程度しか耐えられないということだ。意外と弱い。おそらく初期のiLokもこれくらいの耐久性しかなかった可能性もある。その後8倍の12500回まで耐えられるものが登場したが、iLok2にはこうした高耐久性の部品が使われているものと思われる。3は当然もっと耐久性が高い。
ただひとつ言えることは、トラブルを避けるためにもひんぱんにiLokを抜き差しして使う人はこの問題を真剣に考える必要がある。手っ取り早い方法は、10cm程度のUSB延長ケーブルに付けたままiLok2を使うことだ。抜き差しは延長ケーブルで行い、延長ケーブルとiLokは常に接続したまま持ち歩くようにする。
もうひとつは、特に挿した瞬間に流れる異常電流、とりわけハブの電力不足によってiLok内の回路が壊れる危険性もある。USBハブに挿す時はなるだけバスパワーに気を使うべきだ(はっきりとはいえないが、これらしい問題でiLokを壊した人が昔いた。今のキーは対策が打たれていると思うけど)。とにかくiLokが壊れると英語で何度もメールを送ったり、金を払ったり、大変だよってお話でした。
ilok復活の手続きはこちらから。