1973年にオルガンメーカーであったKORGがArp Odysseyやminimoogを意識して作り出した初のシンセサイザーです。基本的にオルガンの上に乗せて使えるように、コントロールのつまみが鍵盤の下に配置されています。
「トラベラー」と呼ばれるのはいわゆるフィルターのことですが、こいつにはローパスとハイパスが付いています。レゾナンスのようなスイッチはありますが、つまみではないのでON/OFFの調整しかできません。エンベロープもADSRではなくもっと単純なものですが、基本的な音色の良さには本当に感心してしまいます。
MS-20なんかの音を聞いたことがあるひとならわかりやすいと思いますが、キャラクター的にはかなり近いものがあります。しかしもっと柔らかくて芯のあるところが、リード・シンセサイザーとしてもてはやされた所以だろうなと思ったりもします。
当時、アメリカではUnicordというメーカーがこの製品を買い取り、UnivoxというブランドからMini-Korg 700という名前で発売していました。その後、リングモジュレーターなど一部の機能を追加し、鍵盤の左側に取り付けた700Sが登場します(国内では出なかったバージョン?)。
CV/GATEの入力はありませんのでシーケンサーでは鳴らせませんが、音の良さは今も捨てがたい物がある傑作でしょう。
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