ROLAND
SH-2

当時の価格 99,800円
中古の相場 5万円前後
発売年 1978
発音ボイス数 モノフォニック
MIDI / CV CV
レア度
ビギナー向き ★★★★★

info(at)proun.net

 当時のローランドのベストセラー商品がこのSHシリーズでした。とくにSH-2は2VCOにサブオシレーターを加え、3VCO並みの音の厚みを実現していて人気でした(プロマースも同じ機能がありますが、SH-2は音色メモリ機能をはずした廉価版と言えます。また、3VCOというこだわりはもちろんminimoogを意識してのことでしょう)。
 サブオシレーターとは固定された波形でオクターブ下(あるいは上)の音を同時に出すことによって低域成分を増やし、音にハリを加える物ですが、デチューン、つまりピッチを微妙にずらしたりはできないので、3VCO分の音が重なっているように聞こえるかは微妙です。
 サブオシレーターは廉価版のシンセサイザーのオシレーターの音の細さを安いコストでなんとか補おうとする苦肉の策ともいえます。
 機能的には非常にオーソドックスで、初めてシンセサイザーを勉強する人が教材として使うようなとっつきやすさと、シンプルさがあります。悪く言えばベタなパラメーターばかりが並ぶ特徴のないシンセサイザーともいえ、当時ライバル会社のコルグから発売されていたMS-20に比べると同じ値段の割にはシンセサイザーとして面白味に欠けるという声もありました(当時値段が変わらなかったMS-20の現在の中古価格が98000円くらいだということからみても評価の違いがわかります)。
 音色は非常に太くてウォームでアナログっぽい音色をしています。SH-101よりも古くさい感じがかえって素朴で好感が持てます。しかし今時のテクノなどに使うには、いささか音色がメローでアグレシッブさに欠けるようにきこえるかもしれません。当然メモリー機能もありませんが、シンセサイザーに詳しくない人でもいじっていればそれなりの音色が飛び出してきます。本体も軽く、中古市場でもケース付きで売りに出されているものが多いので、そういうのを買えばライブでもそのまま使えるでしょう。ただし電源ボタンが鍵盤のすぐ脇にあり、間違って押してしまう可能性もないとは言い切れません。これは要注意です。外部の音源を入力してフィルターへ通すこともできます。